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申請チームが「Chibanian(チバニアン)」という名称を
地質時代名として選んだ経緯を以下にまとめます。

International Stratigraphic Guideの命名規約に従いますと,
(ICSのHP: http://www.stratigraphy.org/upload/bak/chron.htm
The name of a stage should be derived from a geographic feature in the vicinity of its stratotype or type area.
In English, the adjectival form of the geographic term is
used with an ending in "ian" or "an".
The age takes the same name as the corresponding stage."

意訳:
ステージ名は模式地近傍の地理的な特徴に由来するべきである.
英語においては,地理的用語の形容詞型に対して,"ian"または"an"を単語末につける(以下略).

とあります.
このルールに従うと,「千葉」という地名に基づくステージ名は”Chibian(チビアン)”が最もシンプルな形になります.
しかし,この名称は日本語としてあまり適切とは言えない音を含み,地元である「チバ」の音が失われてしまいます.

そこで申請チームでは,
“Chiba”の形容詞型である”Chiban”に対して(例えば”California"は,”Californian"に変換されます),
命名規約に則り”ian”をつけることで"Chibanian”という名称を地質時代名として提案することにしました.
この用法について、地質時代名の命名規約および英文法上の問題はありません.

一方,“Chibian”以外の選択肢として
Chiba + anの組み合わせから,”Chiban” または,”Chibaan”などの候補を提案されることがあります.
しかし,”Chiban”は”Chib”と”an"の間に必要な母音がなく,伝統的な命名の手順に則っていません.
また,”Chibaan”については,”aan”という単語末として英語にはあまり存在しない組み合わせを使用すること,
ヨーロッパ言語を母語とする方には発音が極めて難しいことなどから,避けるべきであると結論づけました.

従って,申請チームとしましては,
日本に由来する初めての地質時代名として,専門外の方々にも親しみを持って頂ける”Chibanian”が最もふさわしいと考えています.
ぜひご理解・ご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします.

尚,Chibanianの日本語名として現状では「千葉時代」を使っておりますが,
正式な時代名としては,そのまま「チバニアン」,または他の名称が使われる可能性が高いです.

文責 菅沼悠介