山梨 上野原の土地購入訴訟 訴え退ける逆転判決 東京高裁
2020年1月23日 19時09分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200123/k10012256591000.html

山梨県上野原市が6年前、前の市長らの土地を高額な代金で購入したのは違法だと住民が訴えた裁判で、2審の東京高等裁判所は1審とは逆に、訴えを退ける判決を言い渡しました。

上野原市は6年前、保育施設などの建設のため、前の市長らが所有する市内のおよそ7000平方メートルの土地を合わせて2億5000万円余りで購入しました。

これについて、住民の男性は江口英雄市長が適正な手続きを取らずに妥当な評価額より1億円余り高く土地を購入していて違法だと訴え、1審の甲府地方裁判所は、訴えを認めて市長に5000万円余りを返還させるよう市に求める判決を言い渡していました。

23日の2審の判決で、東京高等裁判所の白石史子裁判長は「政治的に対立していた前市長に、市長が土地の購入見込額を伝えていたことは協力をえたいという思惑があったことが推認され、適正な手続きを進めるうえで問題がある。地方自治法などの趣旨に反すると言うべきだ」と手続きに適正さを欠いたことを指摘しました。

一方で「土地の取得自体には市長による裁量権の逸脱は認められず、価格の根拠となった鑑定はやや高額ではないかと考えられるものの、不動産鑑定士の裁量の範囲内に収まっている」と述べて、土地購入をめぐる支出に違法性はないと判断して1審の判決を取り消し、訴えを退ける判決を言い渡しました。