23日午前8時半ごろ、名古屋市営地下鉄桜通線の車道駅(同市東区)で、列車のドアが閉まらなくなり、列車2本が運休するトラブルが起きた。通勤ラッシュで混み合う地下鉄を止めたのは、1台のスマートフォンだった。

 市交通局によると、車道駅で徳重発中村区役所行きの列車(5両)が停車中にドアが閉まらなくなった。ドア付近にいた女性のスマホが戸袋に引き込まれたためで、運転士がドアを手動扱いにして取り出そうとしたものの、取り出せなかったという。

 そのため、列車は運転を取りやめ、乗客約700人には後続の列車を利用してもらったという。このトラブルで後続列車などが最大約13分遅れた。交通局は「キーホルダーや小さな子どもの手が戸袋に引き込まれたケースはあるが、スマホは非常に珍しい。ドアの開閉時には十分に気をつけてほしい」と話す。

 スマホが戸袋に引き込まれる事例は、昨年4月、大阪メトロ御堂筋線本町駅でも発生し、列車に遅延が生じた。列車のドアや戸袋にはさまれて指を骨折するなどの事例もあり、東京消防庁の調べでは、2014年から18年までに400人が救急搬送されたという。(岩尾真宏)

2020年1月23日 12時56分
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