選挙権あるけど、受験やテストでそれどころじゃ... どうなる若者の投票率?京都市長選

 選挙権が18歳以上に引き下げられてから約3年半が経過し、京都市長選では初めて10代が1票を投じる。これまで市内で10代が投票した選挙は5回あったが、全体より低い投票率が課題となっている。市長選が行われる1、2月は受験やテストが重なり、「選挙どころではない」との声も。ただ、市政の課題は身近にあり、必ずしも無関心というわけではなさそうだ。

 選挙権は2016年参院選から年齢が引き下げられた。京都市民が投票した選挙のうち、直近3回の19歳以下の投票率は全体から10ポイント以上低い。
 昨年の参院選で市内の10代有権者は約2万6千人だった。今回、市選管は若い世代へのアピールとして、若者の間で人気のタピオカミルクティーを活用。移動販売車を貸し切り、告示日の19日に岡崎公園(左京区)で無料配布し、投票を呼び掛けた。ボランティアのスタッフとして参加した京都産業大3年の山田聡司さん(21)は周囲の大学生について「選挙に興味がないというより、情報が届いていない」と指摘。「大学では選挙が話題になりにくく、今はテスト期間で顔を合わせる機会も少ない」という。
 若者の政治参画に取り組むNPO法人「Mielka(ミエルカ)」は、他の学生団体と市長選の候補者討論会を共同企画していたが断念した。選挙が大学のテスト期間や就職活動と重なり、時間の余裕がなかったという。メンバーの立命館大3年山田祐斗さん(21)は「若者に関わるテーマを候補に聞き、関心を高めたかった。投票は状況によらず行くべきだが、テストでそれどころではない人は多い」と残念がる。
 市長選が行われる1月下旬から2月上旬は、大学入試や大学のテスト期間と重なる。今回、告示の19日はセンター試験2日目だった。会場近くで試験を終えた有権者の受験生に聞くと、「選挙どころではない」「受験勉強に必死」という声が相次いだ。市内の高校に通う田村舞衣さん(18)は「市長選があるのは知っている。通学で使う市バスが混んでいるので観光政策は関心があるけれど、受験があるので行けない」と話す。
 上京区の男子高校生(18)も「市バスは遅れることがあり、仕方なく自転車通学している。今後家族を持つことを考えると子供の医療費も気になる」と身近な課題を挙げた。受験の合間を縫って投票には行く予定で「選挙権を行使しないと、困るのは有権者だ」と力を込めた。

同志社大の前で選挙カーから学生に政策を訴える候補者(京都市上京区)
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2020年1月26日 19:56 京都新聞