新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、WHO=世界保健機関が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言したことについて、WHOで感染症対策を指揮した経験のある東北大学の押谷仁教授は「この1週間で、日本などでヒトからヒトに感染したケースが複数確認されるなど、国境を越えてこれからも感染が広がっていくリスクが高いということを鑑みたと思う」と述べました。

そのうえで、「2003年に感染が拡大したSARSと決定的に異なるのは、軽症や、症状が出ないケースが一定程度あることだ。そうした人たちから感染するリスクが否定できず、知らず知らずのうちに広がるおそれがあり、WHOも、封じ込めはSARSより難しいと見ていると思う。今後は、医療体制がぜい弱な国の支援を含めて、国際社会が連携して対策にあたる必要があるほか、日本を含めて、感染拡大を前提にした医療体制の整備を真剣に考える時期に来ている」と指摘しました。

2020年1月31日 8時03分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200131/k10012266681000.html