新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大をめぐって、山梨県庁に「県内在住の全ての中国人の動向を調べろ」といった、偏見に基づく電話が数多くかかっていることが30日、県への取材で分かった。

 県健康増進課によると、新型肺炎に関する問い合わせは今月中旬から入り始めたが、「政府は中国からの入国を制限すべきだ」という感染ルートに基づく心配に混じって、中国人全般に対する民族差別的な発言も多いという。

 激しい言葉で中国人の食文化や生活習慣を非難したり、観光客だけでなく県内に住む中国人全員のウイルス検査や行動範囲の確認を求めたりする内容だとしている。

 県は29日、新型肺炎に関する専門の相談ダイヤルを設置。中国・武漢からのツアー客を乗せたバスを運転して感染した奈良県の男性が県内に3度宿泊していたことがこの日明らかになったため、「どこに立ち寄ったか教えてほしい。そこには行きたくない」といった要望が相次いだ。

 ただ、男性やツアー客の立ち寄り先を公表しないことに賛否があるのは確かだ。県は「男性から聞き取り調査を行った奈良県が山梨県内に濃厚接触者はいないと判断した。風評被害の可能性もあり、立ち寄り先公表しない」と説明。宿泊先などへの調査は行わないとしている。

1/31(金) 8:28
産経新聞
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