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2023年春の北陸新幹線の福井県内開業などを見据え、福井県の観光振興の方向性を示す「新たな観光戦略」の第3回検討会議は1月30日、県庁で開かれた。原案の基本戦略に「『稼ぐ』観光」を掲げ、5年後に観光消費額を現状の3割増、外国人宿泊者数は延べ40万人を目指すと設定。県民それぞれが取り組む「oneアクション」も盛り込んだ。

 県観光新戦略の計画期間が19年度で終了することから、24年度まで5年間の施策の方向性をまとめる。県はこの日、タイトルを「ふくい観光ビジョン」とすることを明らかにし、24年度までの数値目標として、観光消費額は現状の3割増の1700億円とすることや、外国人宿泊者数を現状の宿泊者全体の10分の1に相当する40万人まで増やすことなどを盛り込んだ。

 四つの戦略の第1に掲げたのは「観光で『稼ぐ』」。「世界に通用する食・食文化を」などとプロジェクトを定め、それぞれ「世界のトップシェフらから学ぶ場を提供する」などと方向性を記した。外国人誘客に向けた戦略では、県の観光ポータルサイトの利用状況から外国人の嗜好を分析。国・地域の特徴に応じた情報発信を展開するなどとしている。

 県民一丸となった観光振興を進めようと、プロジェクトごとに「県民oneアクション」を盛り込んだ点も特徴。“福井ブーム”を起こす戦略のプロジェクトでは「SNSで県内の写真映えスポットを発信する」などとした。

 会合では、県内外の観光の第一線で活躍する委員12人が原案について意見交換。「すぐやるか5年後までか実行スケジュールを明確化すべき」「世界基準のもてなしを知るために海外に出ててみることも必要」などと意見が出された。県はこの日の意見や、今後募集するパブリックコメント、2月定例県議会での議論などを踏まえ、年度内に正式策定する。

2020年1月31日 午後5時10分
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1020642