https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL05HU6_V00C20A2000000/


テスラ株が急落 前日までの「異次元の株高」警戒
2020年2月6日 1:58



【NQNニューヨーク=張間正義】5日午前の米株式市場で電気自動車(EV)のテスラが大幅に7営業日ぶりに反落している。一時前日比15.8%安の747ドルちょうどを付け、4日に付けた過去最高値(968.98ドル)から23%下落した。年初から前日終値まで2.1倍に上昇し、利益確定売りが膨らんだ。異次元の株高を警戒し、複数の証券会社のアナリストが売りを勧めたことも材料視されている。

テスラは前日、25日移動平均からの上方乖離(かいり)率が60%を超えた。同率は5%を超えると「過熱感がある」とされる。カナコード・ジェニュイティは4日付で投資判断を「買い」から「中立」に下げた。中国の新型肺炎で上海工場の操業が停止しており、量産車「モデル3」の生産に影響が出る可能性あるという。リスクとの見合いから利益確定売りを推奨した。目標株価は750ドルを維持した。

米CNBCは5日、テスラの中国幹部が「2月上旬に予定していた上海工場の出荷が遅れる」と発言したと報じた。

バークレイズは5日付で「テスラ株の最近の上昇は1999年のIT(情報技術)バブルを思い出させる」と指摘。半導体のクアルコムやIT機器のシスコシステムズが99年後半から株価が大きく上昇するも、翌2000年後半には急騰前の水準まで下落した例を引き合いに出した。目標株価は200ドルから300ドルに引き上げたが、投資判断は「売り」を維持した。