【北京=田川理恵】新型コロナウイルスによる肺炎が中国から各国に拡大している責任は世界保健機関(WHO)にあるとして、テドロス事務局長の辞任を要求する署名運動がインターネット上で呼びかけられている。賛同者は6日時点で30万人に達した。




 運動は1月31日、米国発の署名サイト上で始まった。発起人は、テドロス氏が1月22〜23日のWHOの緊急委員会で、新型ウイルスの感染拡大について「国際的な公衆衛生上の緊急事態」の宣言を見送ったことがさらなる拡大につながったと主張している。「何の調査もせず、中国政府が提出した感染者と死者数を信じている」とも指摘し、政治的中立性にも疑問を呈する。

 テドロス氏は、中国から巨額の支援を受けているエチオピアの出身で、保健相や外相を歴任した。事務局長就任間もない2017年には、ジンバブエで長期政権を敷いたムガベ前大統領をWHO親善大使に任命して、撤回に追い込まれた経緯もある。

 テドロス氏は、1月30日の緊急事態宣言後も、中国の主張に沿う形で「渡航や貿易の制限は推奨しない」との見解を繰り返している。

2020/02/07 07:28
https://www.yomiuri.co.jp/world/20200207-OYT1T50068/