英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)電子版は6日、英国が次世代通信規格「5G」の通信網で中国の通信大手・華為技術(ファーウェイ)製品の限定的な使用を認めたことを巡り、トランプ米大統領がジョンソン英首相に電話会談で激高したと報じた。米国は5G通信網でファーウェイ製品を完全に排除するよう英国を含む同盟国に働きかけており、反発が予想されていた。

米ホワイトハウスは1月28日、通信セキュリティーに関する重要問題について英国と電話協議するとの声明を出していた。トランプ氏とジョンソン氏の電話会談は英国がファーウェイ製品の限定的な容認を決定した後すぐに行われたという。

FTによると、英政府関係者は「ジョンソン首相は市場を多様化し、少数の企業の支配を打破するために、志を同じくする国々が協力することの重要性を強調した」とコメントしているという。今回の電話会談は「トランプ氏が動揺していることの表れだ」との専門家の意見も紹介した。

英国は1月28日に安全保障会議を開き、核関連施設や軍事施設など機密性の高い場所を除き、5Gの通信網整備でファーウェイの機器の使用を認めた。

英国は米国と安全保障上の情報を共有する5カ国「ファイブアイズ」の一角だ。トランプ米政権にとって「特別な関係」を築いてきた英国の離反は痛手となる。英国が一部容認を決めたことで今後、欧州各国が追随する可能性もある。

2020/2/7 10:12
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55367270X00C20A2EAF000/