生後1カ月の長女の頭を揺さぶって死亡させたとして、傷害致死罪に問われた父親の中馬(ちゅうまん)隼人被告(43)に対する裁判員裁判で、東京地裁立川支部(竹下雄裁判長)は7日、無罪(求刑・懲役8年)を言い渡した。

中馬被告は2017年1月、東京都町田市の自宅で長女ひかりちゃんの頭を揺さぶるなどして急性硬膜下血腫や多発性肋骨(ろっこつ)骨折の傷害を負わせ、同年3月、このけがが原因の肺炎により死亡させたとして起訴された。親子3人暮らしだったが長女が急変した時、母親は入浴中だった。

公判では弁護側が長女に虐待をしたことはないとして無罪を主張。頭を揺さぶられて傷害を負う「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)」が死亡の原因かどうかが争点となり、計6人の医師が証言したが見解が分かれていた。

検察側はひかりちゃんの頭部内部の傷害は外部からの力によるもので、容体が急変した際に接触できたのは、そばにいた中馬被告だけだったと指摘。弁護側はひかりちゃんは以前から顔が白くなる症状があり、乳幼児特有の突然死の可能性も考えられると訴えていた。【安達恒太郎】

2/7(金) 16:17 毎日新聞
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