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東日本大震災の津波で多くの児童が犠牲となった、宮城県石巻市の大川小学校をめぐる裁判の判決を受けて、県教育委員会は、学校の防災対策の強化などを検討する有識者会議を設置し5日、初会合が開かれました。




震災の津波で、児童と教職員合わせて84人が犠牲となった、大川小学校をめぐり児童23人の遺族が訴えた裁判は去年10月、石巻市と宮城県に14億円余りの賠償を命じ、事前の防災対策の不備を認めた判決が確定しました。

これを受け県教育委員会は、震災後に進めてきた学校の防災対策を検証するとともに、対策の強化に向けた取り組みを検討するため、有識者会議を設置しました。

5日県庁で開かれた初会合で、委員長に就任した東北大学災害科学国際研究所の今村文彦所長は「震災は過去に経験のない甚大な災害で、学校にも大きな被害が出た。裁判の判決を受けて、防災教育や対策のあるべき姿を議論していきたい」と、あいさつしました。

そして、県内での防災教育の取り組みや、判決の内容などが報告されたあと討議が行われ、委員の1人で、大川小学校で当時6年生だった長女を亡くし、現在、中学校の校長を務める平塚真一郎さんは「遺族と教員の2つの視点で議論にかかわり、命を守るための仕組みと人づくりに取り組みたい」と述べました。

会議は5回程度開かれ、来年度中に検討内容を取りまとめることにしています。

2020年2月5日 20時48分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200205/k10012274121000.html