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裁判長の右隣はアメリカ代表のクレーマー少将、
左隣が中国代表の梅判事であり、
その隣がソ連代表のザリヤノフ判事であった。

裁判長は常に梅判事と相談して審理を進めていたが、
この梅判事こそは、国民政府と行動を共にせず
現在中共に残って司法部で活躍している人であることを知れば、
ウェッブ裁定がどんなものであったか、想像に難くないであろう。

本裁判の記録を読む人は誰でも、本裁判の審理が弁護側提出の証拠を
いかに制限せんかとの苦慮に終始していることに気づかれるであろう。
ウェッブ裁判長の職務は日本の侵略否定に関する
被告らの主張なり立証なりを、いかに抑えんかの努力に尽きている。

【証拠の却下】

本裁判は日本は侵略戦争を行い、
無条件降伏をしたと断定し、これを前提として審理を進めた。

したがってわれわれ弁護人が主として争わんとした、
侵略戦争に非ずとか日本軍隊は無条件降伏したけれども、
日本国は無条件降伏したのではなく、
ポツダム宣言なる有条件降伏をしたのであるから、
連合国の同条件無視は許されぬ、
という主張のごときは考慮されず、これに対する立証も認められなかった。