男系による皇位継承や旧宮家の話になると、
「旧宮家の子孫は今は民間人だ。旧宮家に限らず、父方の祖先をたどっていくと天皇にたどり着く
男系男子の民間人なんて日本中に山ほどいる。源氏や平氏の子孫も天皇と血のつながりがある」
といった理屈を時々目にする。

しかし上記のような「天皇と血のつながりがある人たち」のほとんどは、皇統譜(皇族の戸籍に相当)や
戸籍などの国が定めた公文書で天皇との血縁関係を証明することは不可能だ。
血統については、あくまで「自称」、「伝承」の域を出ない。

一方で今の旧宮家の人たちの祖父や曾祖父は、約70年前の1947年まで皇位継承権を持つ正式な皇族だった。
言い換えれば、天皇と血縁関係があることを正式に認定されていた。これは皇統譜を見れば確認できる。
それに戦後の戸籍は完全に残っているだろうから、今の旧宮家の人たちと皇族だった祖父・曾祖父との
血縁関係を証明するのは難しくない。

つまり現在の皇室の男性皇族以外で、天皇と血縁関係があることを公文書で確実に証明できる男系男子は
旧宮家の人たちに限定される。

このようなことから、悠仁親王に男子の後継者ができなかった場合に備えて、
既存の宮家(常陸宮など)の養子にするといった方法で、旧宮家の男系男子に皇族の身分を与え、
皇室に迎え入れることを考えるのはごく自然なことだろう。

もちろん、もし本当に旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎えるようなことになったら、
正式決定の前に、念のためDNA鑑定はしっかり行うべきだろうが。