こんな目安では医療現場がかえって混乱、パンクするだけ――。厚労省が17日に公表した新型コロナウイルスについての相談や受診の目安について、医療関係者の間で疑問の声が出ている。


「厚労省は『37.5度以上の発熱や息苦しさが4日以上続いた場合、保健所などの窓口に相談を』と呼び掛けていますが、これは従来から医療界で知られている『発熱4日ルール』と呼ばれるもの。新型コロナに限った特徴的なことではありません。検査体制が整わない中で、この数値だけが強調され、新型コロナの感染に不安を覚えた患者が来院しても対応しきれません」(都内の医療従事者)

 元東京都衛生局職員で、医事ジャーナリストの志村岳氏がこう言う。

「そもそも新型コロナの検査キットもままならない中で、『私は感染しているかも』と受診されても医療機関は対応できないでしょう。新型コロナについては、すでに市中感染が見つかり、これからは重症化する患者の治療に備える段階です。受診者が殺到すれば重症患者にも対応できなくなってしまう。それでなくても、医療機関は今、インフルエンザの患者などが増えている時期。これ以上、受診者が押しかけるような状況になれば現場はパンクします」

 厚労省の目安は「とりあえず示されたもの」程度に受け止めたほうがいいかもしれない。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/269260
新型コロナウイルスの厚労省目安で医療機関がパンクする?
公開日:2020/02/19 06:00 更新日:2020/02/19 06:00