恒星が寿命を終え爆発して輝く「超新星」の発見で国内最多記録を持つ山形市のアマチュア天文家、板垣公一さん(72)が、米ラス・クンバレス天文台と米カリフォルニア大サンタバーバラ校の研究グループから、アマチュア天文家として初の観測協力者に認定された。板垣さんは2019年秋の協力後にも7個の超新星の確認に成功し、自身の通算発見数を151個に伸ばしている。

 同天文台と同校の研究者らで構成する「高エネルギー突発天体グループ」のアンディー・ハウエル同校教授や、テルアビブ大のヤイヤー・アーカビ教授らが、超新星発見の実績が高く、海外の天文研究者と共著も多い板垣さんに協力を依頼。超新星を見つけたらすぐに、ハワイやオーストラリアにある同天文台の天体望遠鏡で自動的に分光観測できるよう、板垣さんに設定してもらうことにした。

 超新星は通常、アマチュア天文家が発見・報告後、天文学者が分光観測で確認するため、発見から確認まで時間を要し、超新星爆発直後の貴重なデータ収集が遅れがちだった。連携協力により分光観測までの時間が大幅に短縮し、研究データの質と量が向上。板垣さんは今年1月30日には通算150、151個目となる、うみへび座の銀河NGC3463に17・5等、りょうけん座の銀河NGC5371に16・7等の超新星を2個連続で見つけ、分光観測で確認された。

 板垣さんは山形市内で豆菓子製造会社を経営する傍ら、夜間は山形市と岡山県、高知県に保有する私設観測所で観測をしている。発見を重ねるうち、「数を追うだけでなく、研究に役立つ超新星をみつけたい」と、協力に応じた。板垣さんは「アマチュア天文家を評価していただき、うれしい。専門家の研究のお手伝いをしているだけです」と話している。【後藤逸郎】

山岡均・国立天文台天文情報センター広報室長
 超新星爆発直後の状態を一分一秒でも早く観測できれば、星や宇宙の成り立ちを知るデータが得られる。アマチュア天文家と天文研究家が協力して観測体制をとっているのは国際的にも極めて異例。板垣さんの発見能力が評価されたのだろう。
https://mainichi.jp/articles/20200219/k00/00m/040/173000c.amp
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また垣の経営する会社
http://www.astroarts.co.jp/article/assets/2015/03/1352_package.jpg
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