新型コロナウイルスの感染が広がっている中国では、インターネットを通じて患者の診察を行うオンライン医療のニーズが高まっています。

このうち、中国全土でオンライン医療を手がける「微医集団」は、先月23日から新型コロナウイルスに関する相談などに24時間対応する無料のオンライン問診を始めました。

このサービスには、全国のおよそ4万人の医師がボランティアで参加し、専用のアプリを通じて動画やチャットで患者の問診にあたっています。

これまでに延べ140万人が利用し、特に感染拡大が最も深刻な湖北省の住民からの相談が増えているということです。

先月中旬まで湖北省武漢で働いていて、省内の別の地域に帰省中だという32歳の女性はこのサービスを利用し、「鼻水やくしゃみなどかぜに似た症状が出たため、新型コロナウイルスの感染による肺炎ではないか」と相談したところ、医師からは「感染の可能性は低く、アレルギーによる症状とみられる」という診断を受けていました。

女性は感染が怖いので病院には行けなかったとしたうえで、「武漢から帰ってきたので、自分が感染していて周りの人たちにうつしてしまわないか、何日も焦りを感じていました。ネットを通じて直接、医師の問診を受け、肺炎ではないと分かりほっとしました」と話していました。

担当したボランティアの医師は「慢性の病気などは、特に重症でなければオンラインのサービスで解決することができます。オンライン医療によって一人でも多くの患者を診察することで、感染拡大の最前線にいる医師たちの負担を少しでも減らすことができればと思っています」と話していました。

「微医集団」は中国全土の3000以上の医療機関と提携し、およそ2億人が利用者として登録していて、通常は医師の専門分野や経験によって、15分から30分の問診を日本円で数百円から数千円で提供しているということです

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200223/k10012298061000.html
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