1人でも加入できる労働組合「ジャパンユニオン」(東京)は24日、新型コロナウイルスに関連する労働問題の特別電話相談窓口を開設した。「職場でマスクをつけさせてもらえない」「自宅待機を無給で命じられた」など、36件の相談が寄せられた。厚生労働省も14日から特別相談窓口を設けている。【木許はるみ/統合デジタル取材センター】

【新型肺炎 相談・受診の目安は?】

 ◇「無給で自宅待機を命じられた」

 同労組には2月上旬から新型肺炎に関する相談が寄せられるようになり、24日は相談員4人が対応した。

 同労組によると、相談は休業やマスク着用に関するものが多かった。厚労省によると、職務の継続が可能な従業員を会社側の自主的判断で休業させる場合は、一般的に休業手当を支払う必要がある。窓口には「海外旅行から帰国後、2週間の自宅待機を無給で命じられた」(医療機関勤務)、「(感染拡大を受けて)出勤しなくてもいいと言われたが、その期間の給与が出ない」(派遣労働者の女性)といった相談が相次いだ。

 ◇マスク着用は「安全配慮義務」

 マスク着用に関しては「マスクをつけさせてほしいと会社に求めたが、『会社の顔』『お客さんに失礼』という理由で会社側が許可してくれない」(北海道の受付業務の女性)、「職場で『客から笑顔が見えないから、マスクをつけるな』と言われた」(東京都内の飲食店勤務の女性)といった相談が多かった。電話を受けた相談員は、会社側に労働者の健康への配慮を義務づけた労働契約法の「安全配慮義務」に基づき、会社側にマスク着用の許可を要求するようアドバイスしていた。

 このほか、「海外から帰国した同僚と一緒に働くのが不安」「中国人の妻を持つ同僚が職場で嫌がらせを受けている」といった悩みも寄せられた。

 同労組の菅野存(あり)執行委員長は「新型肺炎の問題に便乗し、労働者に不利益が押し付けられないように、働く人と権利を主張して、立場が守られるようにしたい」と話した。同労組は25日以降も相談を受け付けている。

 ◇厚労省には1276件の相談

 厚労省は2月中旬から各都道府県の労働局に、新型肺炎に関する特別相談窓口を設けている。厚労省によると、14日から7日間の相談件数は全国で計1276件。このうち事業主からの相談は786件で、従業員が休業したときの手当などの相談が多かった。

 厚労省は、休業手当やテレワークの導入に関するQ&Aをホームページで公表している。

https://lpt.c.yimg.jp/amd/20200225-00000076-mai-000-view.jpg

2/25(火) 20:48配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200225-00000076-mai-soci