感染が拡大する新型コロナウイルスをめぐり、国際社会が致命的なアウトブレイク(大流行)を封じ込めようと対策を講じる中、イタリア当局は26日、同国内の新型コロナウイルスの感染者数が80人増え、400人に跳ね上がったと発表した。

イタリアは欧州での新型ウイルス感染の中心地となっており、感染者数が過去24時間で25%急増した。

イタリアの状況は
新型ウイルスの影響を最も受けているのは、ミラノがあるロンバルディア州やヴェネチアがあるヴェネト州といった、工業が盛んな同国北部の複数地域。同国のアウトブレイクによる死者は12人に上っている。

イタリア政府は市民を安心させようと努めており、感染の拡大を防ぐための措置を講じていると強調した。

学校や大学、映画館は閉鎖され、複数の公共イベントが中止された。

アウトブレイクの中心地にある11の町は封鎖されている。この地域には、あわせて約5万5000人が暮らしている。

Image copyrightAFPTwo children and a woman wear face masks and hold hands
Image captionイラク・ナジャフでも市民たちがマスクを着用するなどして対策をとっている
アウトブレイクによって、イタリアの景気が低迷するかもしれないとの不安が上がっている。ミラノで取材するBBCのマーク・ロウェン記者は、こうした不安は、市内のカフェにひと気がなく、多くのホテルがキャンセルされている状況を受けてのものだと指摘する。

ステラ・キリヤキデス欧州委員(保健衛生担当)は、ローマでのイタリアの保健相との会談のあと、記者団に対し、「これは、懸念される状況ではあるが、我々はパニックに屈してはならない」と述べた。

「このウイルスについては、とりわけその発生源や広がり方について、依然として多くの不明な点がある」


https://www.bbc.com/japanese/51654314

関連ソース

上 昌広医師 「イタリアは柔軟に対応し、旅行客の健康を守った。2月12日現在イタリアでのウイルスの流行は確認されていない」

今回の新型コロナウイルスの流行においては、地中海のクルーズ船「コスタ・スメラルダ」(総トン数18万5,010トン)で、
乗客に発症が確認され6,000人強の乗客乗員が一時足止めされるという事件が発生している。

 イタリア政府の対応は日本とは全く違った。2名の感染者について処置をした後、12時間で乗客は解放された。

 なぜ、イタリアと日本はこんなに違うのだろう。私は経験の差だと思う。
クルーズ船は西欧で発達した文化だ。
これまでにも麻疹、レジオネラ菌、赤痢、髄膜炎菌、さらにノロウイルスなどの集団感染を繰り返し経験し、
試行錯誤を繰り返してきた。
特にイタリアからは複数の医学論文が発表されている。経験の蓄積において日本とは彼我の差がある。


そして経験に乏しい日本は、従来と同じ方法で検疫を強行してしまった。その結果が、歴史に残る集団船内感染だ。
一方、イタリアは柔軟に対応し、旅行客の健康を守った。2月12日現在、イタリアでの新型コロナウイルスの流行は確認されていない。

https://bunshun.jp/articles/-/33856?page=4
2020/02/13