東京五輪・パラリンピックの観戦チケットを優先的に店頭購入できる整理券のはがき抽選受け付けが20日から行われている。当選者が都内1カ所の窓口でしか購入できない点には疑問の声も。有識者からは今後の販売計画について詳細な説明を求める意見が上がった。


今回のチケット販売ははがきに氏名や住所などを書いて応募するところから始まる。

はがきに(1)申し込む大会(五輪かパラか)(2)氏名(3)住所(4)電話番号(5)生年月日(西暦)を記し、郵便番号119-0152「東京2020大会観戦チケット整理券事務局」に送る。受付期間は五輪が20日〜3月12日、パラは3月13日〜4月5日(ともに必着)。

五輪、パラとも1人1口。整理券が届いた当選者は指定された日時に東京・有楽町の販売所を訪れ、1人4枚(開閉会式は2枚)まで購入できる仕組み。五輪の整理券が当たるのは約5千人想定という狭き門だ。

「非効率」「地方に住む人はかなりの交通費がかかる」。はがき抽選で窓口は東京だけという大会組織委員会の方針に対し、ツイッターには懐疑的な意見があふれている。一方、長年五輪を現地観戦してきたIT会社経営の女性(50)は「都民に優遇されたシステム」と評価。2次抽選でようやくレスリングのチケットが手に入ったといい「さらに1枚でも多く当てて五輪の応援を楽しみたい」と意気込む。

組織委は当初、今春の販売を先着順と説明していた。方針転換について担当者は「先着順では窓口周辺が混雑する。インターネットを使い慣れた人だけが申し込むのを避けるため、アナログな手法での受け付けが適切と判断した」と説明する。

五輪チケットは招致段階の販売予定枚数が780万枚だった。ネット申し込みの抽選による激しい争奪戦が繰り広げられ、1次で約322万枚、追加で約35万枚、2次で約90万枚が販売された。

法政大の杉本龍勇教授(スポーツ経済学)は今回の販売方法を「レトロな売り方に驚愕(きょうがく)した。有楽町1カ所のみの販売でなぜ郵送もできないのか」と疑問視。「組織委の販売プロセスを見ると、その都度直前になって販売方法が示されており、観戦計画を立てづらい。どの競技が何枚ぐらい残っているのか、細やかな情報提供が必要だ」と話している。〔共同〕

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2020年2月29日 12:49
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO56224960Z20C20A2CR0000/?s=5