ふるさと納税の寄付額が全国有数の高知県奈半利(なはり)町で、ふるさと納税を担当する地方創生課の課長の息子名義の口座に、返礼品を扱う水産業者から百数十万円の現金が振り込まれていたことが捜査関係者への取材でわかった。

 また、この息子の住民票が、町外の水産業者の関係先に移されていたことも判明。県警は不正に住民票が移されたとして、電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で、3日、課長の森岡克博(45)、水産業者の松村通成(30)、課長補佐の柏木雄太(41)の3容疑者を逮捕した。3日にも町役場や水産業者の事務所などを捜索し、現金が振り込まれた経緯について調べる。

 捜査関係者によると、2018〜19年、森岡容疑者の息子名義の口座に計百数十万円が水産業者から複数回にわたって振り込まれていた。この間、この息子の住民票が、実際には引っ越した形跡がないのに、町内から町外に移されていたという。県警は税務調査や振り込みの発覚を逃れる目的があったとみている。

 水産業者は県警の任意聴取に対し、「返礼品の扱いで便宜を受け、見返りに現金を振り込んだ」などと話しているという。県警に「返礼品の発注が特定の業者に集中している」と情報提供があり、捜査していた。

 町によると、この水産業者の返…

2020年3月3日 12時34分
https://www.asahi.com/articles/ASN3341M6N33PLPB001.html