症例:
73歳女性:シクレソニド開始後2日程度で、37.5℃以上の発熱が軽快し、酸素化も改善し room air で SpO2 95%以上を維持できるようになった。
78歳男性:来院時より水様便が持続し、食事もほとんど摂れない状態であったが、シクレソニド開始後、食欲が徐々に改善し、下痢も回復し普通便となった。酸素中止が可能となり、倦怠感も改善した。室内で日課のスクワットをする程度まで回復した。
67歳女性:シクレソニド投与のみにて経過観察したところ、酸素化が改善した。食欲も改善、全量摂取可能となり、全身倦怠感も急速に改善した。

薬理:
シクレソニドの持つ抗ウイルス作用と抗炎症作用が重症化しつつある肺傷害の治療に有効であることが期待されている。シクレソニド以外の吸入ステロイドには、COVID-19の抗ウイルス作用は現時点では認められない。