新型コロナウイルスの感染拡大を受け、長岡市立図書館が新聞の閲覧を休止している。閲覧コーナーに高齢者らが長時間滞在することを避けるための措置。図書館は「来館者の感染リスクを下げることを第一に考えた」とするが、専門家からは「行き過ぎではないか」との指摘が出ている。

 新聞の閲覧コーナーのある市内8館で当分の間、取りやめる。蔵書や雑誌類は通常通り閲覧できる。

 各館を統括する中央図書館は、新聞の読者は感染すると重症になりやすい高齢者が多く、コーナーに複数の人が集まって読むケースがあると説明。「不特定多数の人が手に取るため、新聞を介した感染の可能性も排除できない」と判断したという。

 山田あゆみ館長は「感染リスクを下げるため、理解を頂きたい」と話した。

 これに対し、感染症が専門の新潟大大学院医歯学総合研究科の斎藤玲子教授(53)は「長岡で患者は出ておらず、市中で感染が広がっている状況ではない。図書館では大勢で話すことがないため、つばが飛ぶ危険性も少ない。もし患者がいたとしても、(新聞に付く)ウイルスは微量だ」との見方を示した。
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