新型コロナウイルスの感染拡大の防止に向け、茨城県つくば市では6日から公立小中学校と小中一貫の義務教育学校の全45校で臨時休校が始まった。同市では仕事を休めない保護者を考慮し、23日まで臨時休校とするが登校は可能とする独自の対応を取る。小学校と義務教育学校の前期課程の在校生の約47%にあたる7034人、中学生と同後期課程の約13%の740人が臨時休校中の登校を希望しているという。

同日、臨時休校が始まったつくば市立竹園西小学校が報道陣に公開された。低学年を中心に在校生の約33%に相当する253人が登校を希望した。クラスごとの人数にばらつきがあるため、10人前後の児童ごとに教室に割り当て、約1メートル間隔で座るようにした。各自がプリントやドリルなどに取り組み、気分転換として校庭で散歩などの軽い運動もしていた。

給食も提供し、児童は窓側に向かって静かに食べていた。アルコール消毒に加え、各自が配膳するなどの対応を取り、感染防止に努めていた。菊地智之校長は「家庭でできることを学校でやる。子どもたちの面倒を見られない家庭にケアできていると思う」と話す。

同市では政府の臨時休校の要請を受けて2月28日に学校の対応方針を決めた。登校は可能とし、授業は実施しないが、教員が対応して自主学習を行う。開校時間は午前8時〜午後3時までとし、給食も希望者に用意する。放課後に当たる時間帯は通常どおり学童保育を実施するとした。

五十嵐立青市長は報道陣に対し、「つくば市は医療従事者など仕事を休めない保護者も多い。どうすれば市民生活への影響を最小限に抑えられるかと考えた」と述べた。

同市の独自の取り組みは3月2日の参院予算委員会でも取り上げられ、安倍晋三首相は「各自治体の判断は尊重しなければならない」と述べた。

2020/3/6 14:34
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56473890W0A300C2L60000/