東日本大震災は、11日で発生から9年の節目を迎えた。死者・行方不明者は、関連死を含めて2万2129人に上り、東京電力福島第一原発事故などにより、
4万7737人がいまも避難を続けている。今年は、政府や各地の追悼式が中止や規模縮小を余儀なくされるなど、新型コロナウイルスの影響に揺れる鎮魂の
一日となったが、被災現場を訪れる人は絶えなかった。

 追悼式を中止した政府は首相官邸で献花式を行った。安倍首相は「復興の総仕上げの段階に入っている」と被災地支援に全力を挙げる方針を示し、
「大きな犠牲の下に得られた貴重な教訓を風化させてはならない」と強調した。

 追悼式には秋篠宮ご夫妻をお迎えする予定だった。宮内庁によると、天皇、皇后両陛下と長女愛子さま、上皇ご夫妻は、それぞれのお住まいの赤坂御所と
皇居・吹上仙洞(せんとう)御所で、犠牲者を悼み、黙とうされた。

 一方、福島県の追悼式は規模を縮小し、遺族代表や内堀雅雄知事ら5人で開催された。例年約400人の参列者で舞台近くの席が埋まる福島市のホールは、
今年は最前列の5席のみで、知事や遺族代表のあいさつ、献花などが行われた。内堀知事は「極めて重要な行事なので、中止という選択肢はなかった」と話した。

読売新聞

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