県教委は夜間中学に対するニーズ調査の結果を発表した。外国人を含む171人が「自分が学んでみたい」と開設を希望。「周りに夜間中学のことを知らせたい人がいる」と回答した人も211人に上り、一定のニーズがあることが浮かび上がった。

 夜間中学は公立中学の夜間学級のこと。元々は戦後の混乱期に学校に通えなかった人のために開設されたが、近年は外国人や学生時代に不登校だった人らの学びの場としての役割を果たしている。文部科学省によると、現在は9都府県に33校がある。

 調査は2019年11月〜20年2月に実施。アンケート用紙計3万枚(日本語1万5000枚、英語、中国語、タガログ語、ベトナム語、スペイン語各3000枚)を、高松保護観察所やひきこもり支援団体、日本語教室などを通じて配布した。インターネットによるものも含め、計500人から回答があった。

 調査では「自分が学んでみたい」と回答した171人の傾向をまとめた。選択式で尋ねた理由では、「中学を卒業したが学び直したいから」が最も多い86人。続いて「外国人で知識や技能を学びたいから」が73人で、この二つで大半を占めた。「中学を卒業していないから」は8人、その他は4人だった。

 また、居住地は丸亀市が最多の55人(うち外国人39人)。高松市42人(同5人)▽宇多津町18人(同15人)▽観音寺市9人(同1人)▽善通寺市8人(同4人)――などと続いた。「どの市町にあれば通えるか」(複数回答)との問いでも丸亀が最多の79人(同50人)で、次いで高松が47人(同5人)。外国人が集住する丸亀で特にニーズが高い結果となった。

 県教委人権・同和教育課は「現時点で開設計画はないが、各市町の教育委員会とも協議しながら今後の方向性を決めていきたい」としている。【金志尚】

毎日新聞 2020年3月17日
https://mainichi.jp/articles/20200317/ddl/k37/100/287000c?inb=ra