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新型コロナ「ワクチン臨床試験」米国で開始 CDC職員も感染(動画)
2020年03月17日 14時28分


 新型コロナウイルスの感染が世界各国で広がるなか、米国では16日、ワクチンの安全性を確認するための臨床試験が開始された。あらかじめ募集した4人のボランティアが接種を受けたが、米国立衛生研究所(NIH)は最終的には45人が臨床試験に参加すると明らかにしている。



 臨床試験が始まったのは、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が、マサチューセッツ州のバイオ医薬企業モデルナ(Moderna)と共同開発した、新型コロナウイルスのワクチン候補「mRNA-1273」。

全米で3487人が感染

 NIAIDによると臨床試験の第一段階として、18歳から55歳までの健康なボランティアを対象に、28日間隔で2回のワクチンを投与し、それぞれ25から250マイクログラム(mcg)まで分量を変えて、安全性や免疫性について確認する。16日はワシントン州シアトルのカイザーパーマネンテ・ヘルス・リサーチ研究所で、4人の被験者が注射を受けた。



 米国では16日現在、53州(グアムなど米領も含む)で3487人の感染が確認されており、このうち死者の数は68人にのぼる。最も多いのは臨床試験1号目が実施された▽ワシントン州で708人、次いで▽ニューヨーク州669人、▽カリフォルニア州369人などとなっている。


ワクチンはいつできるか

 16日は感染症対策の大元締めである米疾病予防管理センター(CDC)で働く職員のなかからも感染者が報告されており、全米で厳重な封じ込め対策が打ち出されている。



 NIAIDによるとmRNA-1273は、タンパク質合成の遺伝情報をうつしとって伝えることから「メッセンジャーRNA(伝令RNA)」を利用して開発した、免疫システムを高めることが期待されるワクチンで、動物を使った実験では一定効果が確認されているが、実用化には1年から1年半かかる見通しだという。