新型コロナウイルスの影響で「換気」が推奨され、通勤列車では窓を開けての運行も実施されていますが、新幹線は窓が開きません。その車内の換気は、どうなっているのでしょうか。JR東海に聞きました。

■窓が開かず気密性が高い新幹線車両 換気は?

 国内外で広がる新型コロナウイルスの影響。その対策のひとつとして「換気」が推奨されるなか、通勤列車では、車両基地を出るときから一部の窓を開けて発車する、といった取り組みも行われています。

 しかし、新幹線の窓は開きません。高速でトンネルに進入すると気圧が大きく変動し、乗客の快適性が損なわれるといった理由から、新幹線車両は高い気密性を備えていることが特徴です。

 そうした新幹線車両の車内換気は、どのように行われているのでしょうか。

と車内空気の常時換気を自動制御で行っており、計算上では、およそ6分から8分に1回、車内の空気が外気と入れ替わることになるそうです。

 また鉄道車両の換気能力には、室内空間における人口密度の違いなどによって異なる、国で定めた設計基準が存在。東海道新幹線の車両はその基準値を上回る能力を持ち、適切な換気が行われる仕様になっているといいます。

■初代新幹線0系では違っていた車内換気

ちなみに初代新幹線0系(1964年登場)の初期車両は気密構造でしたが、車内の気圧変動対策のため、換気についてはトンネルに入ると吸排気口を閉じ、一時的にそれを停止するしくみでした。

 しかし、トンネルの割合が約50%の山陽新幹線開業にともない、換気中断が長くなってしまうため、0系は途中からトンネル走行中も連続的に換気する新開発のシステムに進化。以後の新幹線車両も、そうした形になっています(東海道新幹線のトンネル割合は13%)。

 なおJR東海によると、以前から日々の車内清掃で、一般的に殺菌効果のあるアルカリ性電解水による清掃を行い、客室内の衛生管理に務めているほか、洗面所に液体せっけんを設置。それに加え新型コロナウイルス対策として、利用者の手が触れやすいトイレのドアノブなどについて、消毒液(次亜塩素酸ナトリウム液)を用いた清掃を、2月28日から基本的に毎日実施しているそうです。

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乗りものニュース
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