乗降客数全国ワースト 本州最北端の新幹線駅を救う定期助成作戦
毎日新聞 2020年3月21日 08時35分(最終更新 3月21日 08時35分)
https://mainichi.jp/articles/20200321/k00/00m/040/036000c

 青森県今別町は新幹線を利用して通学・通勤する住民の定期代の半額を助成する取り組みを4月から始める。同町では人口減少が進み、地域振興の起爆剤として期待された新幹線の奥津軽いまべつ駅も利用者が低迷している現状がある。町は今回の措置により、町民の定住を支援するとともに、公共交通の利用促進を図り、人口減抑制の一助にしたい構えだ。【井川加菜美】

 今別町の人口は1990年の国勢調査では4978人だったが、町によると2019年1月現在の人口は2567人と約30年で半減。町は人口減対策に取り組むものの現状は厳しく、さらに22年には町内の青森北高校今別校舎が閉校となることが決まり、町内在住生徒は全員町外の学校に通わなければならなくなる。

 16年に開業した奥津軽いまべつ駅は本州最北の新幹線駅として売り出され、地元の活性化につながるとの期待も高まったが利用者は伸びなかった。JR北海道によると、同町は新幹線の駅がある自治体の中で一番人口が少ないといい、最近では利用者は「1日あたりの利用者は多い時で80人程度」。平均乗降客数は全国の新幹線駅の中でワーストという。

 町はこれまで通学で必要な高校生に限定して新幹線を利用した定期券の3分の1を補助していたが、来年度から始める助成では通学・通勤する住民の定期代の半額にまで拡充。
助成の期間は高校生は3年▽大学生は4年▽短大生は2年▽通勤は3年――などとしている。通勤では、勤務先の通勤手当を差し引いた分の半額を支援する。助成金の上限は設けていない。

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北海道新幹線に乗るため、奥津軽いまべつ駅のホームに並ぶ人たち=青森県今別町で2016年3月26日、佐々木順一撮影
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JR奥津軽いまべつ駅=今別町の同駅で2020年3月18日、井川加菜美撮影