【エルサレム=金子靖志】イスラエルの対外情報機関「モサド」が、新型コロナウイルス感染の有無を調べるための検査キット10万人分を国交のない湾岸諸国から隠密に調達したとして、国内で話題になっている。外国で主にスパイ活動を担うモサドが物資調達に携わるのは異例だ。


 複数の地元メディアが19日に一斉に報じた。イスラエルでは感染者の携帯電話の通信データを傍受して行動を把握し、感染者と接触した可能性のある市民を特定して検査するなど、世界的にも異例の措置を取っており、そのために大量の検査キットが必要になったという。

 ネタニヤフ首相は19日夜、「多くの国が検査キットの確保を急ぐ中、我々はモサドの動員を含めて手段を選ばない」と述べた。調達先の国名は明らかにしなかった。イスラエルはウイルス感染拡大防止策として外国人の入国を原則として禁止し、帰国者に対しては14日間の自宅隔離を義務付けている。

2020/03/21 21:45
https://www.yomiuri.co.jp/world/20200321-OYT1T50213/