【ロンドン=沢田千秋、ベルリン=近藤晶、カイロ=奥田哲平】新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、英国のオリンピック委員会は二十三日、今夏の東京五輪・パラリンピックへの不参加の意向を示した。またドイツやイランは延期を求めた。開催時期を巡っては、すでにカナダが今夏五輪の不参加を表明したほか、オーストラリアも来年の開催を求めている。

 英スカイニュースによると、英国オリンピック委員会のロバートソン会長は、新型コロナウイルスの拡大防止措置として練習施設が封鎖されており「選手が五輪に向け準備ができない」と指摘。「政府の予想通りウイルスが拡大を続ければ、選手を(五輪に)送ることはできない」と述べた。

 ドイツのオリンピック委員会のヘアマン会長は、公共放送ARDに、国際オリンピック委員会(IOC)が五輪延期の検討に入ったことを歓迎した上で「今秋の開催は安全な代替案ではない。来年以降が望ましい」と発言した。

 一方、イランのオリンピック委員会のアムリ会長は二十三日、新型コロナウイルスの感染拡大で航空便が停止し、各競技の五輪予選に出場できない状況を挙げて「延期の最終決定を」と求めた。地元メディアが伝えた。エジプト・オリンピック委員会のハタブ会長も「一カ月かそれ以上延期されるかどうかにかかわらず、あらゆる不測の事態に対応できる」と述べ、延期を容認する姿勢を表明した。

2020年3月24日 夕刊
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