https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-26/Q7S1E5T0AFBB01

米NYでにわかペットブーム、新型コロナに伴う外出禁止の影響か

Bailey Lipschultz、David R. Baker
2020年3月26日 14:30 JST
→シェルターの犬がほぼいなくなったと保護団体、引き取り希望者急増
→チューイーやペットメッドなどペット関連株がアウトパフォーム

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でトイレットペーパーや手指消毒剤、ペットボトルの水などの物資不足が引き起こされたが、その他にも意外なものに不足が生じている。それは犬や猫だ。

  新型コロナ感染拡大の震源地となっているニューヨーク市では、ペットの需要がにわかに増えている。少なくとも保護犬や保護猫についてはそうだ。動物保護団体のマディー・ポーズ・レスキューとベスト・フレンズ・アニマル・ソサエティーによれば、協力先のシェルターに保護されていた犬や猫が全てかほとんどいなくなった。ここ2週間で引き取りの申し込みが最大で10倍に増えたという。

  自宅待機を命じられ、やや退屈しながらも不安いっぱいのニューヨーカーはペットをピリピリした神経を落ち着かせる手段と捉えているようだ。マディー・ポーズのマーケティング担当ディレクター、アンナ・ライ氏は里親希望者に「引き合わせる犬が今のところいないのは間違いない」と語った。

  株式相場全般が落ち込む中、ペット用品を手掛けるチューイーの株価がこのところ急伸している理由もこれで説明がつく。同社株は今年に入り7%上昇。同社のウェブサイトによると、オンラインでの注文急増で配達にかかる日数が大半の顧客で7−10日に延びている。


  他のペット関連銘柄もアウトパフォームしている。動物用医薬品メーカーのペットメッド・エクスプレスは年初来で7%余り上昇。S&P500種株価指数が23%下げる中、フレッシュペットは2.3%安にとどまっている。

  少なくとも感染拡大のホットスポットでは、ニューヨーク以外の地域でもペット人気の高まりがみられる。米動物虐待防止協会(ASPCA)は、ロサンゼルスの拠点でペットの引き取りが70%増えたと発表。ベスト・フレンズによれば、米国内全域の提携シェルターの多くで同じ現象が報告されている。

原題:
Newest Shortage in New York: The City Is Running Out of Dogs(抜粋)

3月19日にシカゴで保護された猫の親子写真家:Getty ImagesによるE. Jason Wambsgans / Chicago Tribune / Tribuneニュースサービス
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