日銀の新しい審議委員に元丸三証券経済調査部長の安達誠司氏(54)が26日就任し、記者会見を開いた。新型コロナウイルスの感染拡大について「いつ底打ちするのか、まったく見えない。刻々と変わる状況を注意深く見ていきたい」と危機感をあらわにした。追加緩和については現時点では不要との認識を示した。

 安達氏は、新型コロナウイルスによる経済悪化への対応について「収束を迎えるまで、企業中心に資金面で持ちこたえる政策をすべきだ」と述べ、当面は企業の資金繰り支援や金融市場への潤沢な資金供給が必要と指摘。16日に日銀が決めた上場投資信託(ETF)買い入れ枠の拡大などの追加緩和を評価したうえで、「副作用を無視してどんどん緩和する状況ではなくなっている」と述べ、現時点では一段の緩和は不要との認識を示した。

 マイナス金利政策については「まだまだ追加で深掘りする余地はある」と述べたものの、「コロナが収束して日本経済が浮上するときの政策だ」と述べ、当面は選択肢に入れない考えを明言した。

 安達氏は前任の原田泰氏と同じく金融緩和に積極的な「リフレ派」として知られる。金融政策を決める日銀の政策委員会は、総裁、副総裁2人、審議委員6人の計9人で、リフレ派は若田部昌澄副総裁、片岡剛士審議委員と安達氏の3人。【古屋敷尚子】

3/26(木) 22:39配信
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