世界中に流行が拡大した新型コロナウイルスは、人類の様々な活動に大きな影響を及ぼしている。最大の問題は、このウイルスがまさに「新型」であって、その特性がすべて解明されたわけではなく、既成概念では捉えられないことである。

たとえば、英米独仏などの耳鼻咽喉科の医師によると、新型コロナウイルス感染の兆候として、嗅覚の喪失を挙げている。ドイツでは、3人に2人以上にこの症状が出たという。これも、感染者を早く見つけるために大いに役に立つ。

悔やまれる最初の1カ月間の対応

日本でも、阪神の藤浪晋太郎投手が嗅覚喪失の症状が出たため、検査したら陽性だったという。同僚の選手も陽性で、味覚喪失があったという。
当初は、軽い風邪のようなもので、高齢者や基礎疾患のある者以外は、さほど恐れるには及ばないというのが、一般的な認識であった。
最初に感染者が見つかった武漢での感染者の急激な増加については、中国の初動体制の遅れ、情報隠蔽体質が主たる原因とされたのである。
つまり、これは中国の感染症であり、対岸の火事だと諸外国は考えていたのである。
それは、ヨーロッパやアメリカのような遠隔地のみならず、日本や韓国のような近隣諸国でも同じであった。そこで、旧正月(春節)の前後から大量の中国人観光客が訪日したのである。
その段階ですでに、多くの日本人が感染し、それに気づかないままだった可能性も捨てきれない。
日本で最初の感染が判明したのは1月16日で、湖北省から帰国した中国人であった。
しかし、その段階でも日本政府も日本国民も危機感を持たず、安倍政権が専門家会議を慌てて設置したのが2月14日である。それは、前日に初めて死者が出たからである。
この1カ月間の無為無策が問題であり、この間に中国人によって大量にウイルスが日本に運ばれてきたと考えてよい。当初は新型コロナウイルスの毒性や感染力を甘く評価した点でさらに問題だったのは、ヨーロッパやアメリカである。

中略

前回の本欄で、日本国民全員に10万円を支給せよと主張したが、それは、リーマンショック以上の不況になるとの認識があるからである。

「オーバーシュート」「ロックダウン」横文字連発で都民の不安煽る結果に

そして、また25日夜、小池都知事は緊急に会見を開き、一日の感染者増が41人になったとして、慌てて外出自粛などの措置を発表した。
しかし、41人の内訳を見ると、病院でのクラスター感染者や海外からの帰国者を除いて、感染源の分からない患者は10?13人で、過度に騒ぎ立てることはない。

もし、自粛要請をするのなら、19日の政府の専門家会議の後にすべきで、1週間遅れてしまっている。しかも、「オーバーシュート」、「ロックダウン」と横文字を使い、危機感を煽ってしまった。
東京は、ローマやマドリードやパリとは違うのである。

この会見の影響で、東京のスーパーでは買い占め騒ぎが起こり、パニック状態になってしまった。大衆の心理を計算しない無謀な会見であった。
週末に「不要不急な外出をするな」と言うのなら、同時に「生活必需品の買い物は必要で、不要不急ではない」と釘を刺すべきだったのである。

東京に続いて、埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県、静岡県も同様な措置をとることに決めた。

因みに、26日も、東京都の感染者は47人となったが、うち感染経路が不明な者は、24人であった。

日本は、これまで新型コロナウイルスの感染拡大を上手く抑えてきたが、この措置で経済の疲弊が強まり、東京五輪どころではなくなるかもしれない。

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59928
2020.3.28(土)
舛添 要一

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