オーストラリア東部沿岸に広がる世界最大のサンゴ礁「グレートバリアリーフ」で大規模な白化現象が確認された。同サンゴ礁を管理する政府機関が発表した。気候変動に伴う気温の上昇は、同国で最近まで続いた大規模な森林火災の一因になったが、海にも異変をもたらしたことになる。

 グレートバリアリーフの白化現象は最近では、2016年と17年に次いで3度目。サンゴの体内で共生する藻類が海水温の上昇を受けて抜けることで発生し、長期化すればサンゴの死滅につながる可能性がある。

 26日付の発表によると、白化現象は、約34万平方キロメートルの広さがあるグレートバリアリーフのほぼ全域を対象とした過去2週間の上空からの調査と、水中での調査を経て確認された。同機関は「気候変動は最も大きな挑戦だ」と指摘。2月にグレートバリアリーフの海水面の温度は観測史上最高だったが、「この時の熱蓄積が白化現象につながった」と分析した。

 クイーンズランド大学のオーベ・ホーガルドバーグ教授は「森林火災と白化現象は、数千種の動植物に生きる場所を提供する木やサンゴなどに打撃を与えた」と懸念を示した。

大規模な白化現象が確認されたオーストラリア東部沖の世界最大のサンゴ礁「グレートバリアリーフ」=18日(豪政府機関GBRMPA提供)
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