https://www.cnn.co.jp/storage/2020/03/27/2630cf374326e06fa5ecc77a454579a6/200324093034-01-bronze-age-sword-discovered-super-169.jpg

伊ベネチアの潟(ラグーナ)に浮かぶ島にある修道院で、中世の遺物として展示されていた金属の刀剣が、実際には5000年前の青銅器時代にさかのぼるものだったことが明らかになった。展示を見た博士課程の学生が年代に疑問を持ち、金属の組成などを分析した結果、驚くべき発見につながった。

ベネチア大学の博士課程で考古学を研究するビットーリア・ダラルメリーナさんは、2017年にサン・ラザロ島にある修道院を訪れた。ガイドに案内されて修道院の展示資料を見学していると、長さ43センチほどの金属製の刀剣に目が留まった。自身の専門分野で扱った青銅器時代の武器に似ている気がしたためだ。

刀剣の説明書きには中世の遺物とあったが、もっと古いものだと直感したダラルメリーナさんは刀剣の調査を開始した。パドバ大学と共同で刀剣の金属の化学組成を分析したところ、ヒ素を含む銅の合金で作られていることが分かった。この合金は主に紀元前4世紀の終わりから同3世紀初めにかけて使われていたもので、青銅の使用が定着する前の年代であることを意味する。

同じ化学組成を持つ刀剣2本がトルコで見つかっているが、これらは形状も非常に似通ったものとなっている。

当時はコーカサス地方やアナトリア地方、エーゲ海諸島及びギリシャ本土で新たな貴族階級が勃興していた。考古学者らはこうした刀剣について、武器であると同時に権威の象徴としての役割も果たしていたとみている。

修道院の記録文書の調査担当者によると、刀剣は1886年の8〜9月、トルコのトラブゾンにある同じ宗派の聖職者組織から贈り物として届けられたという。

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2020.03.28 Sat posted at 18:50 JST
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