アメリカで新型コロナウイルスの感染拡大が特に深刻なニューヨーク州は、現在6万人近い感染者が今後さらに増え、対策が追いつかないおそれがあるという認識を示しました。州では人工呼吸器や病床の調達を急いでいて、時間との闘いとなっています。

ニューヨーク州のクオモ知事は29日、新型コロナウイルスの感染者が前の日から7195人増えて、5万9513人になったと明らかにしました。

クオモ知事は会見で「ウイルスの広がりが、われわれの対策より先を進んでいる」と述べ、感染者の急激な増加に対策が追いつかなくなるおそれがあるという認識を示しました。

クオモ知事は前日の会見で今後も感染者が増え続け、ニューヨーク市では2、3週間後、その周辺ではそれ以降にピークに達するという見通しを明らかにしています。

さらにクオモ知事は「感染の拡大がピークになる前に、われわれの備えをピークにしたい」として、不足する人工呼吸器や病床の調達に全力を挙げるとして改めて支援を訴えました。

事態を受けて民間も支援を急いでいて、ニューヨーク市の名所、セントラル・パークの広場では、キリスト教系の支援団体と病院が連携し、重症患者を受け入れ可能な68の病床を備えた仮設のテントを設置しました。

また、大リーグ、ニューヨーク ヤンキースなどの公式ユニフォームの製造工場は医療従事者向けのマスクやガウンの製造を始め、今後、100万セットを医療機関に無償で提供するとしています。

国連もニューヨーク市に災害や人道支援用に備蓄する医療用マスク25万枚を寄付したほか、自動車メーカーなどが人工呼吸器の製造を急いでいて、急増する感染者への対応は時間との闘いになっています。

2020年3月30日 11時40分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200330/k10012357121000.html
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