感染や経済への打撃が拡大し続けている新型コロナウイルス問題。混乱や被害を更に助長しているのが、口コミやSNSによるデマの拡大だ。特にフェイクニュースが毎年急増する4月1日のエイプリルフールを前に、専門家は「地震のような大災害時の状況に既に近くなっている」と警戒を呼び掛けている。

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先ほど確かな方から下記の情報が入りました。民放各社にも連絡が入ったようで、 明日の晩に安倍総理の緊急会見があり、4月1日からロックダウンという発表があるとのこと」。いま、TwitterやLineなどではここ数日、東京などの「都市封鎖(ロックダウン)」が決まったとするデマ拡散が止まらない。

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AI(人工知能)を活用した災害情報サービスを手掛けるSpectee(スペクティ、東京・千代田)の村上建治郎社長は「タイミングは(3月25日の)小池百合子都知事による緊急会見や(28日の)安倍首相の会見前後から。特に26〜27日あたり以降、こうしたまだ不確定なロックダウンについて断定する内容のデマが出回り始めた」と分析する。


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 村上社長によると、こうしたデマはTwitterの他にLine上でチェーンメールのように出回っているという。加えて、「政府関係者からの確かな情報筋」「民放各社に通達が既に行っている」などともっともらしい情報源を装っているのも特徴という。

 「この現象は、北海道地震などで起きたデマとよく似た構図。当時も『自衛隊の話によると、あそこで断水や停電が起きる』といった偽の情報が出回った。“枕詞”にもっともらしい公的機関などを付けてつぶやいている」(村上社長)。

ネットメディア記事も「冷静に中身を見て」
 村上社長によると、これまで新型コロナ関連で出回っていたデマを分析すると、「お湯がコロナに効く」といった健康系の内容が比較的多かったという。東京封鎖の可能性が取り沙汰されてきたここ数日は、デマの量もさらに増す中で「その内容自体、地震のような大災害時の物に近くなっている」と警鐘を鳴らす。

 さらに懸念されるのが、毎年ジョークサイトやフェイクニュースが急増する4月1日のエイプリルフールだ。村上社長は「例年多少のウソが許される雰囲気のため、面白おかしい冗談を発信する人も出てくるだろうが、企業も個人も今年は少し慎重になるべきだろう。どんな内容のウソが出回るか読めないが、なるべく惑わされないように注意した方がいい」と指摘する。

 こうしたデマの被害対策についてSpectee社では「そもそも人づての話は疑う」「政府や自治体などの公式情報を常に確認」「少しでも疑念を持ったり自分で判断できない情報はシェアすべきでない。善意であってもデマ拡散に加担することになる」と呼び掛けている。

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2020年03月30日 18時20分 公開
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