■ずっと緩んでいるのは安倍昭恵さん

 さて3連休で国民はつい緩んでしまったが、ずっと緩んでいるのは安倍昭恵さんである。

 東京都が野外宴会の自粛を求めているなか、「週刊ポスト」3月30日発売号が伝えた「安倍昭恵夫人『森友疑惑渦中』に『桜を見る会』で芸能人とバカ騒ぎ」(第一報は「 NEWSポストセブン 」3月26日付)が国会でも物議を醸した。

 この件に対するツッコミとして「自分の妻に自粛要請できない首相が国民にできるのか」というものがあるが、私はポイントはそこではないと思う。問題はあくまで昭恵さん個人だ。

 というのは昭恵さんほど神出鬼没で「いろんな場所にあらわれ、いろんな人と会う」人物はいないように思えるからだ。

 そしてまさにこの行動パターンこそ、万一の時に感染経路を把握できない恐ろしい状況を生む。1人で極端に多くの人に感染させるスーパースプレッダーとなってしまう恐怖も考えなければいけない。

 なのでこの件だけは昭恵さんを「私人」ではなく「公人」として対策を練ってほしいのである。今回のウイルスの拡散の速さは地球規模で移動するグローバル化の証拠という。なら、同じくらい移動や接触が激しいグローバル昭恵の水際対策も万全にすべきだ。
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■昭恵さんがあれだけ行動的な理由

 そもそも昭恵さんはなぜあれだけ行動的なのか?

 数年前に私がやっているラジオ番組に「昭恵さんの講演会に参加したことがある」という方からメールをいただいたことがある。昭恵さんは講演会で次のようなことを言っていたという。

「外遊で会う各国の首脳夫人たちは弁護士だったりキャリアのある女性ばかりで、自分に劣等感を感じていた」

 メールには「昭恵さんは出たがりというより、各国の夫人みたいに良いことをしたい! 社会貢献をしてるところを見せたい!ってことじゃないかと思います」と書かれていた。

 お嬢様から政治家の妻になってファーストレディーとなったのはまったく悪いことではない。でも昭恵さんは自分が首相夫人でいいのかと思い悩むことがあったのだろう。

 だからこそ社会活動を懸命にやろうと考えたのかもしれない。それが過剰すぎて「私と出会った人は、みんな私に会えてよかったと思ってもらいたい」になったのかもしれない。

 タチが悪い。

 一見すると「私にできることなら協力してあげたい」という気持ちは美しいサービス精神に見える。しかし一歩間違えると肩書のバラマキ政策となる。

 しかもサービスされた相手によっては「なんでこんなに……?」と困惑する人もいるだろう。そして逆に肩書を利用しようと近づいてくる人間もいるだろう。森友学園問題とはなんだったのか。改ざん問題で犠牲になったのはどういう立場の人か。

 昭恵さんの「何かやらなきゃ」という精神は尊い。でもあの立場だとマズいことばかり。

 とくにこの時期の神出鬼没と不特定接触は今後すぐにやめていただいたほうがいい。

 感染対策として昭恵さんをまず止めてほしいのである。

3/31(火) 9:33
文春オンライン
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200331-00036953-bunshun-pol&;p=2