(ブルームバーグ): たばこメーカーが命を救うワクチンを供給するとはあり得そうにない話かもしれないが、フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)とブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)はタバコの葉から新型コロナウイルス感染を予防する手段を生み出そうとしている。

BATは1日、植物由来ワクチンの前臨床試験を米バイオテクノロジー子会社ケンタッキー・バイオプロセッシング(KBP)を通じて進めていると発表した。PMIも、部分出資するカナダ部門メディカゴがワクチン候補をヒトに投与する試験を今夏に開始するとしている。

大手たばこメーカーはこの分野に全く縁がないわけではない。KBPは2014年、実用化には至らなかったもののエボラ出血熱治療薬「ZMapp」の開発をマップ・バイオファーマシューティカルと手掛けた。

メディカゴはタバコ科植物から得られるウイルス様粒子(VLP)を活用して植物由来ワクチンを開発。このワクチンはウイルスと類似し、体の免疫システムがウイルスと認識して免疫を作り出す。

KBPは最近、新型コロナの遺伝子配列の一部をクローン化し、免疫誘導物質を開発。それを複製のためにタバコに注入した。BATによると、この手法は通常の方法より短期間でワクチンを製造でき、必要な期間は数カ月から約6週間に短縮される。

同社は現在、臨床試験の実施に向け政府機関との協力を模索している。KBPは営利目的の部門だが、新型コロナワクチンでは利潤を追求しないとしている。

4/2(木) 12:08配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200402-96914237-bloom_st-bus_all