埼玉県熊谷市のひき逃げ事件で小学4年の小関孝徳さん(当時10歳)を亡くした母代里子さんが2日、東京・永田町で自民党交通安全議員連盟の総会に出席し、死亡ひき逃げの公訴時効を撤廃することなどを求めた嘆願書を提出した。参加議員からも法改正で対応を求める声が相次いだ。

 ひき逃げ行為は現在、道路交通法の救護措置義務違反と規定されている。嘆願書では、救護せずに逃げる行為の故意性を訴え、自動車運転処罰法に移行して罪を新設することを求めたほか、公訴時効の撤廃を要望した。

 連盟事務局長の竹本直一・内閣府特命担当相は「逃げることを許してはならない。連盟の大きなテーマにしたい」と、法改正に積極的な姿勢を示した。

 代里子さんは「逃げ切れないようにすることで、ひき逃げを減らしたい。議員の皆さんに関心を持ってもらえて、一歩進んだように感じる」と期待を込めた。また孝徳さんのケースでは県警が容疑を危険運転致死罪に変更し、公訴時効が10年から20年に延長された。代里子さんは「全国に時効が近い被害者がいる。罪名を変更できると知ってほしい」とも訴えた。代里子さんはブログ(https://ameblo.jp/kosekitakanori/)で事件の情報提供も募っている。【岡礼子】

毎日新聞 2020年4月3日 10時16分(最終更新 4月3日 10時19分)
https://mainichi.jp/articles/20200403/k00/00m/040/039000c