新潟県出雲崎町の小林則幸町長(86)は2日、長岡市の病院で6日に大腸がん手術を受けることを明らかにした。全国最高齢の首長で2020年1月の町長選では「最高齢を逆手に町を売り込む」と訴え、無投票で9選を果たした。入院中も決裁できるため職務代理は置かず、「不死鳥のようによみがえってみせる」と公務復帰を誓った。

 4日から入院し、6日に体への負担が軽い内視鏡による腹腔(ふくくう)鏡下手術を受ける。自覚症状はないが、主治医から「今手術しないと来年の今ごろには死んでいる。今やればあと10年は生きられる」と強く勧められた。状況に応じて開腹手術になる可能性もある。入院期間は未定で、復帰は比較的早いとみられる。
 町長によると、03年には2度にわたって腎臓と前立腺のがんの手術を受けて1カ月以上入院。このときも職務代理を置かなかった。その後、年1回CT(コンピューター断層撮影)検査を受け、20年3月25日の検査で偶然、大腸がんが見つかった。

 町長は役場で1日にあった新年度の訓示で大腸がんを報告し、知らなかった職員は一様に驚いたという。町長の携帯電話には心配した支持者らからの電話が相次いだ。健康の秘訣(ひけつ)として日課にしている、早朝5時の散歩と町長室に置かれたダンベルの運動は今は控えているが、自宅でスクワットなど適度な運動を続けているという。「私はいたって元気だ。9期目が始まったばかりで、皆さんに心配や迷惑をおかけする。なんとか克服して、さらに頑張って恩返ししなければいけない」と話した。【内藤陽】

毎日新聞 2020年4月3日 09時48分(最終更新 4月3日 10時32分)
https://mainichi.jp/articles/20200403/k00/00m/040/031000c