新型ウイルスの影響が大きく出ている「旅館」や「ホテル」。

福岡県内の施設は、東京に次いで全国で2番目に客室稼働率の下落幅が大きいことが分かりました。

苦境に立つ老舗旅館を緊急取材しました。

【清乃屋 福山速登支配人】
「こちらがオゾン消臭機という形になりまして、除菌と除染効果があるということで」

「各部屋全部やっております」

「こういった椅子とかテーブルに関しては、全てお客様が触れるところはこういったところも全て、アルコール消毒をやっております」

うきは市を流れる筑後川沿いに建つ老舗旅館「清乃屋」。

国内およそ3万5000の宿泊施設の中で、利用客の満足度が特に高い宿に贈られる賞を2年連続で受賞している人気の温泉旅館です。

川沿いに咲く桜が部屋からも眺められるこの時期、客室の稼働率は例年100%近いといいますが、2020年は…

「だいたい昨年比でいきますと(予約率は)1割、2割に満たないと思います」

「1割減ではなく、昨年比の1割!」

さらに、1日、福岡県の小川知事が4月19日までの週末、不要不急の外出自粛を県民に要請したことを受けて、状況はさらに悪化しています。

「今月の11、12の予約がゼロになってしまいまして、本当に厳しい状況で」

予約状況を示すパソコンの画面を見せてもらうと・・・

週末以外の平日も厳しい数字が並んでいました。

【九州経済調査協会 松嶋慶祐主任研究員】
「最も下落した都道府県は東京都、福岡県、広島県」

「福岡県の稼働状況指数の下落が大きかったというのは、インバウンドの減少と国内客の減少の影響を強く受けている結果になっていると思います」

福岡市の公益社団法人、九州経済調査協会は1日、新型コロナの宿泊施設への影響を発表。

福岡県内の宿泊施設は東京に次いでダメージが大きく、2019年の同じ時期と比べて半分以下となる54ポイントも稼働指数が落ちていることが明らかになりました。

【九州経済調査協会 松嶋慶祐主任研究員】
「宿泊施設への影響というのは非常に大きくなるんですが、それ以上に飲食店での消費とか、観光地でいえば土産物の消費とかそういったところにも影響してくると思うので」

景気の波を受けやすく、内部留保も少ない企業が多い観光産業。

協会では今後、倒産する企業がさらに出てくると見ています。

2020年、開業64年を迎えた清乃屋。

営業を続けていくために様々な対策を練っています。

Q.ゼロの日があるじゃないですか?で露天風呂とかってどういう対応を?

【清乃屋 福山速登支配人】
「ある程度休業の対応をして、従業員の方は極力抑えて、役員等だけでやるとかそういった状況で一日休業して対応していこうと思っています。ゼロの時は」

感染拡大がおさまらない新型コロナウイルス。

多くの企業の存続も脅かしています。

4/3(金) 20:15配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200403-00000011-tncv-l40