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●『大東亞戦争 陸軍報道班手記−バタアンコレヒドール攻略戦』(→焚書)の中で
「バタアン半島總攻撃従軍記」と題する長い文章を書いているのは作家の火野葦平である。
彼はその中で敵の食糧不足を指摘している。これはいったいどういうことなのか…

日本軍はバターン半島を北の方から南に向かって攻めていく。
大量の敵がバターン半島の尖端にあるコレヒドール島の方へ逃げていき、そこにたてこもったからである。
その数は両軍合わせて8万3千。
そこに、なんと2万6千もの難民、民間のフィリピン人も逃げ込んだ。
だからたちまち食糧問題が深刻になってしまったのである。

米国の「オレンジ計画」(対日戦争計画)では、
もし日本と戦争になったら、フィリピンは必ず日本軍の攻撃を受けるに違いない。
そのときは首都マニラを捨てて、バターン半島に立てこもって迎え撃つ、コレヒドールの要塞は難攻不落だ。
それがこの計画の考え方だった。

昭和16年12月8日、ハワイが日本軍の攻撃を受ける。
そのニュースをマニラで耳にしたマッカーサーは
「どうせアメリカの大勝利に決まっている。ジャップはさんざんな目に遭っているはずだ」
といって知らん顔をしていたという。
副官がしきりに、フィリピンからB17の編隊を飛ばして台湾を攻撃するように具申するが、マッカーサーはそうしない。
そのうち、台湾を飛び立った日本軍の大編隊がやってきて
米軍の飛行機はみな叩き潰され、飛行場も使いものにならなくなってしまった。