福岡市の高島宗一郎市長は5日、新型コロナウイルスの急速な感染拡大を受けて、ブログで「国には直ちに緊急事態宣言をお願いしたい」と発信した。福岡市では4日までに介護老人施設など3カ所で感染者集団「クラスター」が発生しており、高島市長は「今の福岡は爆発的な患者急増の瀬戸際だ」としている。

 市では2日に12人、3日に15人、4日に26人と感染者が急増しており、3日には東区の90代女性が死亡。高島市長は「今はまさに緊急事態です」と訴えた。

 緊急事態宣言は改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく措置で、首相が発令すると、都道府県知事は外出自粛や休校措置を要請できる。従わない場合の罰則はないが、要請に法的根拠ができ、従わない事業者名などを公表できる。

 高島市長は、平日も含めた不要不急の外出自粛や、夜間の活動自粛を市民に強く求めており「(緊急事態宣言で)より自粛を徹底できる。現在のようなお願いベースの要請とは影響力が変わる」としている。

 大阪府の吉村洋文知事も3月30日、感染経路が分からないケースが増えているとして「東京と大阪に緊急事態宣言を出すべきだ」と述べている。【加藤小夜】

毎日新聞2020年4月5日 19時29分(最終更新 4月5日 19時29分)
https://mainichi.jp/articles/20200405/k00/00m/040/142000c
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2020/04/05/20200405k0000m040145000p/7.jpg