東京高等検察庁の検事長の定年を政府が、法解釈を変更して延長したことについて、日弁連=日本弁護士連合会は「法解釈の範囲を逸脱し、法の支配と権力分立を揺るがすものだ」として、定年延長を認めた閣議決定の撤回を求める会長声明を発表しました。

東京高等検察庁の黒川弘務検事長は、63歳になることし2月で定年となる予定でしたが、政府はこれまでの法解釈を変更して定年を延長しました。

これについて日本弁護士連合会の荒中会長は6日声明を発表し「検察官に定年延長が適用されなかったのは、政治家をも捜査の対象とする検察官の人事に、政治の恣意的(しいてき)な介入を排除し、その独立性を確保するためだ」と指摘しました。

そのうえで「今回の定年延長は法解釈の範囲を逸脱し、法の支配と憲法の基本原理である権力分立を揺るがすものだ」として定年延長を認めた閣議決定の撤回を求めています。

また、声明は検察官の定年を段階的に65歳に引き上げるために、政府が国会に提出した検察庁法の改正案についても「内閣の裁量で検察官の人事に介入することが可能となり、検察官の中立性や独立性が脅かされる危険があまりにも大きい」として反対しています。

日弁連によりますと黒川検事長の定年延長をめぐっては、これまでに東京弁護士会など全国20余りの弁護士会が反対する声明を発表しているということです。

2020年4月6日 17時59分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200406/k10012370781000.html
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