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5月には親中派の二階俊博・幹事長に同行して訪中。首相以外の外遊に首相秘書官が随行するなど、超異例だ。額賀派議員が語る

「今井秘書官は、今井敬・元経団連会長と今井善衛・元通産事務次官の2人から見て甥っ子で、本人も経産官僚であり、中国とビジネスを続けたい経団連の意向がバックにある。

総理は、そんな今井秘書官から“中国と関係改善すべき”と強く進言されたのではないか。最近は、総理自身が訪中する気になっているらしい」
 加計疑惑などに追われる中、首相が周囲に押されて外交面で信念を貫けなくなっているという見方だ

党内では、安倍政権がぶちあげた高等教育無償化も、「(鳩山政権の看板政策だった)高校授業料無償化のパクリじゃないか」という声が上がっているし、
憲法9条の1項・2項をそのままに3項に「自衛隊」を書き込む安倍試案も、鳩山氏が2005年に発表した『新憲法試案』と似ていると言われている(鳩山氏は「陸海空その他の組織からなる自衛軍を保持する」などと記述)。
 むろん、「鳩山氏と似てきた」という物言いそのものが、党内で高まる勢力争いを反映していると言える。

「一強」と言われるが、その安倍政権を選んだのは有権者だ。国民は、経済の立て直しはもちろん、覇権を広げようとする中国に強い姿勢で対峙することを期待した。
 陰りが見える自民党内部でどんな権力闘争が起きようと、あの鳩山民主党の時のような日本に戻ってはならないことだけは確かだ。