観光関連事業者を対象にした緊急支援補助金の受け付けを始めた。窓口の市役所には初日から約200社が殺到し、確保していた4500万円の予算枠を超えたため、市はこの日で受け付けを終了した。訪れた事業者は観光客減少による厳しい現状を訴えた。

 補助金は、売上高が減少したか、減少が見込まれる中小企業や個人事業主、NPO法人などが対象で、大企業は対象外。消毒液やマスクなど感染症予防の備品の購入費に使えるほか、現状を乗り越えるための販促キャンペーンや終息期を見据えた設備投資、従業員研修にも使える。店舗の賃借料や光熱水費、損失の穴埋めは対象とならない。補助率は経費の4分の3で、上限は30万円。

■会場に扇風機や空気清浄機、申請者途切れず

 この日は、午前9時の受け付け開始直後から途切れることなく申請者が訪れた。感染リスクを下げるため、会場には扇風機や空気清浄機が置かれ、受け付けを終えた後、申請手続きが始まるまでいったん退出する人もいた。
 中京区でホテルを経営する男性(68)は「客室価格を半額に値下げしたが、それでも予約のキャンセルが止まらない。稼働率は20%以下で、4月の売り上げは昨年の10分の1になりそうだ」と明かす。休業も検討するというが「従業員の生活もあり、どうすればいいか分からない」と声を落とした。

■「前向きに考えないとやってられない」
 右京区で漆器製造販売業を営む男性(61)は観光客が戻ったときに備え、補助金は「商品開発の設備投資に使いたい」と話す。外国人を中心に客が減って売り上げが半減したといい、「1月以前の状況に戻るとは考えられないが、今は前向きに考えないとやってられない」と苦笑する。
 来所した事業者以外に郵送で受け付けた分が約70件あったといい、市観光MICE推進室の担当者は「事前に約300件の問い合わせがあり、想像通りの多さだった。苦しい時期に前を向く事業者を下支えできれば」と話している。

4/8(水) 10:30 Yahoo!ニュース
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