ことし9月から広島県で開かれる現代アートの国際芸術祭「ひろしまトリエンナーレ」について広島県は、実行委員会とは独立した別の委員会を設け、作品ごとに出展すべきか否かを検討する方針です。これについて総合ディレクターを務めていた男性は「検閲的だ」などとして、ほかの芸術家らとともに参加をボイコットすることを明らかにしました。

去年、尾道市で開かれた「ひろしまトリエンナーレ」のプレイベントでは、昭和天皇をコラージュした作品が展示され、批判や展示の中止を求める声が寄せられました。

これを受けて実行委員会の事務局を担う広島県は実行委員会から独立した別の委員会を設け、作品ごとに出展すべきか否かを事前に検討する方針です。

これについて、芸術祭の総合ディレクターを先月末で辞任した中尾浩治さんが広島市内で記者会見を開き「常識的に見たら検閲的な組織であると言っても差し支えない。多様性を重視する現代アートとは真逆の方針だ」と述べました。

そのうえで、「表現の自由はアーティストにとっては死活問題だ。抗議の意味で不参加を表明する」と述べ、参加予定だった芸術家らおよそ30人とともに、参加をボイコットすることを明らかにしました。

「ひろしまトリエンナーレ」はことし9月12日から11月15日まで三原市、尾道市、福山市で開かれる予定です。

2020年4月9日 18時05分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200409/k10012377841000.html