新型コロナウイルス感染症対策で、大学内に学生が密集するのを防ぐため、公立小松大(小松市)は8日、休館している小松市のホテルを「臨時キャンパス」として借り、一部の授業を始めた。学生はマスクを着けて入り口で手を消毒し、広々とした空間で講義に臨んだ。



 JR小松駅そばの同大中央キャンパスから約1キロ離れた「ホテルビナリオ小松セントレ」に臨時キャンパスと記した看板が掲げられた。約300人を収容する大宴会場が講義室になり、座席は前後左右1メートルほど離して並べられ、換気のためドアは開けたまま授業が行われた。



 初日は生産システム科学部の1年生80人と、国際文化交流学部の2年生36人がホテルで受講した。白山市の中野美優さん(18)は「キャンパスから歩いて来られるし、広い空間なので感染の心配も少ない。後で夏休みが削られたりするより通常通り授業をしてくれた方がうれしい」と語った。



 中央キャンパスで予定していた約120科目のうち受講人数が多い14科目の授業を実施し、1週間で延べ1千人がホテルを利用する見込み。臨時キャンパスは今月末までの措置で、状況次第では5月以降も継続する。ホテルは学生向けに、弁当やオムライスなど昼食メニューを準備した。



 学生と職員計1千人には来週、携帯用の消毒液を配布し、4月中にオンラインでの遠隔授業も始めるという。横川善正(よしまさ)副学長は「学びの場を分散し、最大限の対策を講じて前向きに乗り越えていきたい」と述べた。

2020/04/09 02:09
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